オザワ,イクミ   OZAWA, Ikumi
  小澤 伊久美
   所属   国際基督教大学教養学部 日本語教育課程(JLP)
   職種   課程上級准教授
発表年月日 2020/10/25
発表テーマ イマジネーション理論がひろげる「発生の三層モデル」の可能性
会議名 日本質的心理学会 第17回大会
主催者 日本質的心理学会
学会区分 全国学会
発表形式 シンポジウム・ワークショップ パネル(公募)
単独共同区分 共同
開催地名 Online
会場名 Zoom
発表者・共同発表者 小澤伊久美・上川多恵子・宮下太陽・鈴木美枝子・木戸彩恵
概要 発生の三層モデル(TLMG)は、複線径路等至性モデリング(TEM)、歴史的構造化ご招待とともに複線径路等至性アプローチ(TEA)を構成する要素の一つである。TLMGは、非可逆的時間の流れの中にあるライフ(生命・生活・人生)の変容の分岐点に焦点をあて、そこで発生する「人間の内的な変容過程を、文化的な促進的記号と信念・価値観との関係でとらえ理解するための理論」(能智他,2018, p.249)であり、近年、この理論を考察に取り入れたTEA研究も増えてきた(安田・サトウ,2017)。TLMGでは、個々の活動や行為が発生する個別活動のレベル(第1層)、状況を意味づける記号が発生する記号のレベル(第2層)、信念・価値観が維持・変容するレベル(第3層)という3つの層を想定し、その「3つの層間情報の内在化・外在化のプロセスにより、行動と価値・信念の様相を促進的記号の絡みあい」(安田他,2015b, p.34)によってとらえようとする。
一方、イマジネーション理論において、イマジネーションとは「“直接的設定”を抜け出して、過去や未来、現在において可能なことや不可能なことさえも探索することを可能にする経験を作り出すプロセス」(Zittoun & Gillespie, 2016, p. 2)であると定義されている。イマジネーションを「経験(から)の分離によって始まり、大抵の場合、(経験への)再結合という結末になる」(同p. 40)という円環的な過程としてとらえ、イマジネーションが展開するきっかけ(trigger)、リソース、結果という側面から検討し、さらに、時間的志向性・一般化可能性・実現不可能性の3次元の中で図示化するループモデルが提示されている。
本企画では、イマジネーション理論を活用して考察することがTLMGによる分析をいかに深めるかを議論する。話題提供1はTLMGによる分析の利点と困難点を、話題提供2〜4はTLMGにイマジネーション理論を活用して得られる示唆を、それぞれ事例に基づき報告する。最後に、指定討論者が提示する論点を踏まえ、イマジネーション理論がTLMG理論にもたらす可能性と今後の検討課題についてフロアを交えて議論したい。